プロスペクト理論

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Psychology - 2018.12.16 - Three Philosophers

行動経済学でノーベル賞を受賞した、ダニエル・カーネマンで有名なプロスペクト理論をみていきましょう。損失回避時の単純計算的行動に、パラドックスがあると認めたモーリス・アレ氏の考えに、人間の心理的要素(思い)を加味したのが、プロスペクト理論です。

リスク回避

メロン プロスペクト理論

100パーセント美味しいメロン1つと、2つ貰えるが美味しい確立は50パーセントのメロン。この場合多くの人が前者を選択します。美味しいメロンを二つ貰えるという期待よりも、両方とも美味しくなかったらという不安が上回ります。人間に備わるリスク回避の傾向、すなわちバイアスです。(参考:フレーミング効果

価値関数における利益と損失

メロンの例では、確率的には五分五分の状況で、リスク回避の傾向に焦点を当てましたが、Bの選択肢の、美味しいメロンが含まれる可能性を少し上げても、やはりAを選択する人が多いそうです。その傾向を、プロスペクト理論では価値関数を用いることで、具体的に説明しています。

価値関数

人間はプラスよりもリスク・損失に敏感で、とりわけ損失が出始めた時は、損失を抱え込んででも取り返そうという気概に支配されていくようです。価値関数をグラフ化した上図をみるとよく分かりますが、損失時の心理的振れ幅は、利益が生じている時よりもとても大きいのです。500円玉を一枚落とした。少し奮発して買った500円のプチトマトが腐っていたなど、500円という、収入として考えるとさほど大きくない金額でも、損失となるととても大きく響いてくるのは、人間特有の心理が働いているからです。

確率加重関数

また、人間は実際の確率よりも、確率が低い時は過大評価し、確率が高い場合は過小評価する傾向があります。プロスペクト理論では下図のように35パーセントあたりをしきい値として、その前後で評価の逆転現象を説明しています。

確率加重関数

古代ローマ時代を起源とした生命保険が、現代まで売られ続けているのも頷けます。側面的に考えれば、人間はそれだけ長い間、いわば不変的にバイアスを働かせ、ごく小さな確率におびえ、過大評価してきたのです。一転して、喫煙や飲酒によるリスクを過小評価する人が多いのも実情です。共用部での喫煙により、何世帯からも苦情が来ている状況でも、報告を評価できないというのも、このバイアスからでしょう。「自分には直接苦情は来ない」「自分は大きな病気にはならない」これらは誤った評価です。

まとめ

ちなみに文中の図は大雑把に作成したものです。延々と対称性を成すものではないようですので、詳しく分析したい方はカーネマン氏の著作などで研究してみてください。それにしても冷静な判断が下せないというのは困ったものですね。サイコロジーの様々なトピックを学び、バイアスの外し方のヒントを探っていきましょう。