アフォーダンスとデザイン

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UIとUXユーザビリティと操作性類似性とアフォーダンス

User Experience - 2020 - Three Philosophers

インターフェースデザインにおいては類似性が鍵となる時がある。しばしば作り手はオリジナリティを追求してしまうが、そのデメリットについてアフォーダンスという観点から考えてみよう。

アフォーダンスとシグニファイア

インターフェースデザインは分かりやすさを重視する必要がある。例えばマイカーの乗車体験。車のエクステリアに関しては様々なデザインがあるが、「ドアを開け、エンジンをかける」という部分はどの車種でも共通だ。この体験は絶対的な分かりやすさ・普遍性によって支えられているが、ことスマートフォンのアプリなどは不必要なほど複雑なものも多い。

扉に引き手がついていたら、引く。手のひら大のフラットなパネルがついていたら、押す。アメリカの心理学ギブソン氏のアフォーダンス理論(別の心理学者であるノーマンにより発展)は、「形状によって(もっと大きく言えば身の回りの環境から)認知する(させる)」大切さや人間の認知に関する特性を示唆している。

経験と認知特性、デザインのコツ

形状から受ける印象はダイレクトなメッセージだが、経験によって意識下に構築されるアフォーダンスにも気をつけたい。スマートフォンのホーム画面を例にすると、ユーザーが使用を重ねるにつれ、たとえ年配の方でもスマートフォンのホーム画面そのものに対して「スワイプさせれば次のメニューが出てくる」と認知するようになる。これはレガシーにもなるし、規則にもなりうるから、利用すべきというより、せざるを得ないケースも出てくるということである。

このようにデザインは、定着している前例に対しては、類似性を持たせる必要があるということだ。iOSもアンドロイドもホーム画面が似ているのはそのためだろう。似ているというか、年々似てきているそのインターフェースに、マーケットの動きがそのまま具現化されているからだ。(参考ページ:キャズム理論とUIUXデザイン

このような流れの中では、目新しさが新規ユーザーの混乱を招くこともある。アプリ設計に関しては、誰もが使っているアプリ、例えばメール、電話、LINEなどをベーシックなフォーマットとして捉えると良いだろう。既知感親しみやすさはいつの時代も重要なのである。

アフォーダンスを構成するもの

ふだん我々が、うがい薬を化粧水と間違えて顔にパッティングしたり、洗顔クリームと歯磨き粉を間違えて苦い思いをするといったケアレスミスを避けられているのは、何らかの信号をキャッチして行動している(あるいは対象が信号を発してくれている)からである。

友達が「箸立て」を「アスパラ立て」として使うというジョークを飛ばしていたが、ひょっとしたら我々には箸立てにみえても、それを「アスパラ立て」に仕向けてしまうようなアフォーダンスが存在する空間もあるかもしれないということだ。箸を使わずに手で食べる民族もあるだろうし、アスパラのような食べものを大量に消費している民族もあるかもしれない。このようにアフォーダンスは遺伝子レベルから経験や創造、認知力など様々な要素によって構成されていることを銘記しておこう。

まとめ

人間の認知の特性に関する理解を深めることは、ビジネス上の最も大きな課題のひとつであるユーザーの常用性を高めていくことにも繋がるのでとても重要だ。前述の通り、ユーザー体験が「レガシー」と「規則」という違った要素を同時に生み出すのであれば、デザインにも緩急が必要になってくるのだ。