UI・UXデザイナーの業務領域

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UXデザインインターフェースデザインUIUXデザイナーに求められるスキル

User Interface - 2018 - Three Philosophers

UI・UXデザイナーにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。また、実際どのような業務を担当しているのでしょうか。現職のデザイナーが簡潔に語ります。

その名称について

まずUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザー・エクスペリエンス)は包括する範囲が大きく異なります。例えばインターフェースデザイナーがアイコンを作成・管理している時に、UXデザイナーはファシリテイターとして経営戦略会議に参加しているかもしれません。

よく「UIUXデザイナー募集!」という求人を見かけますが、あまりに包括する範囲が広すぎて焦点が定まっていないような印象を受けます。まぁ一言でいうと、募集をかける側の勉強が足りていないということになるのですが(私なら100パーセント応募しません)、おそらく皆さんも「UIUX」と一括りにしているからこそ、このページをご覧になっているのではないかと思います。UXデザインはとても広い範囲を扱いますから、このサイトのUX戦略セクションの各ページでいろいろと学んでみてください。インターフェースデザインは単なるパーツデザインといえばそれまでですが、どちらにしても熟練の技が必要です。(参考:戦略と課題の粒度グロースハックとUXデザインマーケティングとUX)

デザイン領域

例えばファッション系サイトの情報設計などでは、PCとスマートフォン用に2種類のデザインを行い、アクセスする年齢層なども考慮して、ボタンの場所やフォントサイズ、カラー、モーダル時の展開方法などを決定します。ボタンの場所や大きさはインターフェイスデザインに、遷移の仕様に関してはエクスペリエンスデザインに該当しますが、こういった部分というのは、ウェブ黎明期から現在に至るまで、どの会社(現場、案件)でも繰り返し行われてきているので、UIUXと特に差別化する必要はないかもしれませんが、UI、UXデザイン共に業務の専門性が深くなっていった際にも通常のデザイン経験が多分に要求されると考えておくことが大切です。

     

デザイン領域を超える部分

ファッション系のデザインに限ったことではないですが、利便性のためのサイト(アプリ)設計とは別に、ブランドを守り、育む力も必要となってきます。「売る」という行為に関してはある程度グロースハック的な知識も必要にはなりますが、ブランドそのものに傷をつけてしまったら本末転倒です。企業や製品のブランディングにはデザイナーとしての美意識や設計力、マーケティングの知識なども必要になってくるでしょう。こういった領域では単なるインターフェースデザインしか経験のない方ではミスマッチになります。デザイナーとしてトップに立ちたいのであれば美大の教授であれ、有名なコンサルティングファームの役員であれ、すべての方とコミュニケーションをとり納得させていくだけの実力が必要になります。(個人的には)ここ日本ではとくに、優れた美的感覚を持ち合わせた人材が不足していると感じています。(美術史を学んだ、というのも違います。知識と腕前は全く別のことです。)

コーディング、プログラミング、データドリブン

実際のところコーディングが出来ないデザイナーさんも結構いますし、今後私も業務上でコーディングは担当しないと思いますが、UI、UXデザインにはナビゲーションの整備やインタラクションの設計も含まれますので、htmlに加え、Javascript、Jquery、CSSアニメーションなどの知識も必須となってきます。何を用いればどこまで表現出来るのかを理解していれば、工数換算やファイルの受け渡し時のコミュニケーションも円滑に行えるでしょう。またUXデザインではデータ分析も必要になる時があります。Google AnalyticsやSearch Consoleなどの操作に親しみ、それを業務の特定のポイントと結びつける能力に長けていると心強いかもしれません。下積み時代(5~10年)にどれくらいしっかりとした仕事をしてきたかで、こういったテクニカルな部分のコミュニケーション能力の差となってあらわれるでしょう。(参考:マイクロインタラクションの設計)

ソフトウェアとツール、プレゼンテーション

インターフェースとエクスペリエンス部分を担当するからといってPhotoshopIllustratorの初心者では困りますね。確かにXDSketchなどのソフトの登場や、デザインのフラット化により往年のデザインツールをコアに操作する機会は減りましたし、領域的には高度なレタッチ力などは必要ありませんが、Sketchのコンパネにならぶ60余りの機能を、どんなソフトを使ってでも実行できるレベルのグラフィックスキルは必要だと思います。そしてやはり更新・運用やプレビュー機能の面ではXDやSketchに軍配が上がります。もはやPhotoshopだけでサイトやアプリに関するデザインを管理する時代は終わりました。

またUXデザイナーはモックデザインのみならずドキュメンテーション能力を高めていく必要があるようにも思えます。美しいドキュメントは必ず相手にささります。

UXerとして

前述のとおり、エクスペリエンスデザインも、おおかた通常のデザインの範疇に収まりますが、経営部分に関わる段階になりますと、業務範囲や裁量が大きく飛躍します。歴浅の人がUX関連の書籍を読みあさって、頭でっかちな状態でチームに参画しても誰も喜ばないかもしれません。現場は漠然とした知識よりも具体的な経験とデザイン(設計)力を求めています。実際、今の現場では有名なコンサルティングファームから出向してきている人が、「使えねぇ」とやっかい者扱いされてます。UX分野は食い物にされそうな職種でもありますので、レベルの低い体制で運営が行われている現場もあるかもしれませんが、特定の分野に関して専門の知識を有することなく「コンサルしたい」ではお話になりません。

"まっとうな"エクスペリエンスデザイナーとして会社内で地位を確立したいのであれば、大規模案件をいくつも経験して基礎固めをし、組織構築や製品の最適化、長期的な視点に立った設計が出来るようにならなくてはなりません。マーケティンググロースハックの各ファネルといった、企業活動の全工程をチューニングし補完するスキルが必要とされます。

事業戦略との関わり方

ここまで語ってきた通り、UXデザイナーは事業戦略に関わる職種です。KPIの設定やデータ分析部署間の連携や実際的なアイディエーションなど、様々な課題と向き合うことも想定されます。ただしあまり広範囲になりすぎても良くありませんので、各個人のキャリア設計に応じて付き合い方を定めていくと良いでしょう。実際の現場での作業風景などは別ページで紹介してみたいと思いますが、一つ言えることは核となるスタイルを確立することだと思います。そしてそのロジックはデザイナーらしく美しく見やすいドキュメントで共有しましょう。一般的な企業では事業の主軸となるプロダクトを中心として、セールス部門、開発部門、データ分析、カスタマーサクセスと様々な方が関わりながら働かれていると思いますが、具体的な戦略とビジュアル面で圧倒し、実際に動くモックでノックアウトという流れが良いでしょう。パワポ?デザイナーのツールではありません。XDやSketchが使えない?モックこそ最強のプレゼンツールです。モックにより事業が推進されていきます。

まとめ

各トピックに設けた詳細ページを読んでいただくと分かりますが、UI・UXデザイナーの敷居は低くはありません。何よりUXerは知識の源泉のような存在でもあるべきです。行動経済学色彩理論など、プロダクト(サイト、アプリ)の品質向上に役立つ幅広い知識や、英語力なども高め、情報や自分そのものの存在にプレミア感を持たせていきましょう。大変な分、一般的なデザイナー職に比べると給与や報酬面は高く設定されています。ニューヨークやカリフォルニアのUI・UXデザイナーの相場は平均でも130,000ドルくらいありますので、十分な生活が可能になるでしょう。デザイナーは聞こえこそ悪くはないものの賃金は低いというのが通例でしたから、一流の商社マンなどとは5,6倍の年収格差があるのが現実でした。努力次第で同等の報酬を手に入れることも出来ますし、企業の用意してくれた土俵がなくてもフリーランスとして活躍しやすい職種でもあるので、人によっては夢のある職業であるとも言えるでしょう。