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PH 4/3はルイス・ポールセン社の看板製品であるPHシリーズのシェードランプで、ベースモデルでありながら、シンプルでとても魅力のある照明だ。
PHはデザイナーのポール・ ヘニングセンの略で、製品名用の略字と思いきや、デンマーク国内では彼自身のことをシンプルにPHと呼ぶことも多いそう。
Name / Year | PH 4/3 (1966) |
Category | シェードランプ (ペンダントライト) |
Designer | Poul Henningsen / Louis Poulsen |
このPH4/3は1928年に設計されたモデルを簡素化したプロダクトだ。
ヘニングセンのランプは、まぶしさから目を守るため、複数の同心円状のシェードを使用して設計されており、反射光のみを発し光源を覆い隠す。
とてもやわらかな光と、空間に生み出される影が特徴。
PH4/3という製品名は上図のようにシェードの幅を表している。
上中下と3:2:1の比率でシェードが形成される。
1925年にパリの万国博覧会で金メダルを獲得したモジュール式マルチスクリーン ランプ「Pariserlampen パリランプ」をPHシリーズの照明器具設計における発展のマイルストーンとし、PH4/3をはじめ、様々な大きさ、デザインのプロダクトが生み出されていった。その進化の過程でアンチグレアや光のレンジの問題がクリアにされ、世界中で愛されるプロダクトとなった。
PH4/3にはTableという卓上ランプモデルもあるが、佇まいにやや無骨なところがあり、コーディネイトにはセンスが要求されてくると思う。(ルイス・ポールセン社のテーブル・ランプは他にもオシャレなものがたくさんあるので、選択の幅は広い。)
正直なところ、様々なデザイナー物件に住んだり、コーディネートして感じたのは、必ずしも上位モデルが良いとは限らないということ。投資金額と結果は必ずしも一致しない。
大切なのは、モノが主張するタイミングとその空間である。
その点、PH4/3(ペンダントランプ)は、ベースモデルでありながら、様々なインテリアと調和する素晴らしいプロダクトだと思う。