Color Scheme - 2025 -
赤は情熱の色というイメージがありますが、トーンによっては純粋なエネルギーだけを感じさせる色にもなりますし、興奮や危険性といったネガティブな要素が際立つ色にもなります。
赤は、しばしば大手企業などにもブランド(コーポレート)カラーとして採用されますので、(ディレクターなど上位職で)有名なデザイン会社の「赤の扱い方」を評価する機会も多いのですが、近年特にDXブームで人材が不足しているのか、みなさん苦戦していらっしゃる印象です。「密」すぎて画面全体が重くなってしまっていたり、全体的にセンスがないのです。フォーカスさせる力が弱いとコンバージョン性能も向上しませんし、ブランド認知も進みません。
本ページにて、様々な力を有した赤色の特性を学んでみましょう。
色 | 波長 |
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紫 | 380nm~450nm |
青 | 450nm~495nm |
緑 | 495nm~570nm |
黄 | 570nm~590nm |
オレンジ | 590nm~620nm |
赤 | 620nm~750nm |
全体的な色相のうち、赤と認識しうる範囲は広いので、トーンの差で現れてくる性質も理解が必要でしょう。 濃い色だと洗練された状態を表し、明るい色だとエネルギーは増しますが優位性は低下します。
ポジティブ | 情熱、愛、暖かさ、気力、興奮、強さ、刺激、物質的、勇気 |
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ネガティブ | 怒り、反抗、攻撃性、危険 |
情熱もその度合いが強いと怒りにも反抗にも繋がります。人間の感情と同じく赤の持つ機能も様々に変化するようです。
Triptych of the Temptation of St. Anthony - 1937 -
ドイツ表現主義を代表するマックス・ベックマンの作品。ベックマンは危機を予感させるような深い赤を局所的に配置して強い印象を与えています。ここでの赤は支配・優位性を持った強い赤です。
Harmony in Red - 1908 -
マティスの有名作品の一つ。タイトルの通り(比較的ライトな) 赤で画面全体を覆っています。色相的にはレモンの黄色、窓枠のオレンジ色に続く段階的な色としての赤でもあります。優位性よりも全体との調和を意識した赤なのでしょう。それこそすさまじいレベルのハーモニーです。椅子のフレームなどで使われている茶色がこのライトな赤の機能性をさらに向上させています。
Plum Blossoms, Green Background - 1948 -
マティスは赤い色を画面上で支配的に用いることが多かったのですが、傑作「赤のハーモニー」から40年を経ても愛情は変わらず、子供のように描きなぐっています。こんなに涼しげな赤があるでしょうか。晩年は物思いに沈むことが多かったそうですが、その作品は今もって表現家を励ましてくれます。
赤はプロンプトを打ち込むにも、その特性である赤のギラギラ感に負けないような作風を考える必要があるでしょう。
こういう時、皆さんはどうしますか。例えば最後に掲載したマティスの作品。とても純粋で強烈な赤ですね。でもその溢れんばかりのパワーを吸収している存在があります。そうです。緑(グリーン)です。補色関係にある両色が揃って調和しているのです。
配色を決めたら、あとはテーマと構成を決めるだけです。デザインやアートって楽しいですね。
AI-Generated ArtWork - Prompted by
AI-Generated ArtWork - Prompted by
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さて、いかがでしたでしょうか。文中で大手デザイン会社の仕事ぶりにもふれましたが、アウトプットの質が上がらないのは学びが不足しているからです。
全体的なバランスや相対性能も考慮に入れませんと(前のめりの考えでデザインしてしまいますと)「赤」の本来の機能が発動しません。ベックマンの赤にもう一度注目して頂けますと分かりやすいですが、トリプティック作品のうち「赤」が使用されているのは中央のカンバスだけです。これを最近の大手の人材は、特にコーポレートカラーが「赤」だと聞くと、左右のカンバスにも赤を散らしてしまうのです。
赤色(レッド)はハートマークで愛情を表現することも出来ますし、血液などが連想されることから危険を表すことも出来ますので、幅広い用途があります。特にプロの方には、この視覚的インパクトの強さをコントロールすることが求められてくるでしょう。