芸術とデザイン | オレンジ(橙色)の持つ力と特徴

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色彩理論オレンジ色彩理論:オレンジ(橙色)の考察

Color Scheme - 2018 - Three Philosophers

オレンジ(橙色)は熱狂や回復などポジティブな要素を持ち合わす反面、遠慮の無い状態なども表現します。行動と適切な変化、前進している状態の象徴でもあり、濁りを有しながらも前向きな力を発しています。

波長域

波長
380nm~450nm
450nm~495nm
495nm~570nm
570nm~590nm
オレンジ 590nm~620nm
620nm~750nm

色彩理論:カラーチャート

オレンジは隣接する黄色のような屈託のない純粋な性質は弱いです。楽観と外向性、抑制されていない性質、若返り、元気回復、能動的でありながら反省のない状態も示しています。

オレンジ色の効果

ポジティブ 社会的、楽観、熱狂、喝さい、自信、独立、冒険的、センスの良さ、 感じの良さ
ネガティブ 表面的、不誠実、依存、威圧的、わがまま(自堕落)、自己顕示家、厭世的、inexpensive(安い、値段にしては良い)、非社交性、自信過剰、けばけばしさ

この色が好きな人は優柔不断で継続性の無さが指摘されています。また不親切で常習的に冗談を言う、我慢を美徳としない、ストレスがかかると威張り散らすという傾向があるそうです。混迷の世の中では成功しそうな色でもありますね。

名画の中の橙色 セザンヌの作品の場合

セザンヌの絵画 りんごとビスケット

Apples and Biscuits - 1880 - Paul Cezanne

黄色のページでも紹介しているセザンヌの作品。カンバス中央に黄色、橙色、赤色と段階的なりんごが配置されています。お皿には黄色と橙色の補色に相当する色が使われ、絶妙なコンポジションに仕上がっています。

名画の中の橙色 ノルデの作品の場合

ノルデの絵画 裸婦

Reclining Nude - 1901 - Emil Nolde

ドイツ表現主義の巨匠、エミール・ノルデの作品。偉大なる粗野を表現した画家と言われているノルデですが、彼の色使いは独特で、波長は必ずしもまっすぐではありません。土の中でも育つような肌からは大地にまかれた種のような印象を受けます。オレンジの補色である青を背景にし、そのさらに奥には黄色の補色である紫を含ませてバランスを整えています。橙色の発する捉えどころの無いパワーを感じ取りましょう。

まとめ

黄色とオレンジは色域は近いものの、性質の違いは明白です。カラーフィールド・ペインティングの画家であるマーク・ロスコーは、オレンジ色の有するねじれたような波長を大胆に用いて時代の寵児になりました。デッサンと構成という二大要素を放棄したとき、芸術の本質性は失われてしまいますが、色彩には人間の感性を揺り動かす力があるということを覚えておきましょう。