芸術とデザイン | 緑色(グリーン)の持つ力と特徴

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色彩理論グリーン色彩理論:緑色の考察

Color Scheme - 2018 - Three Philosophers

緑色は分析的で、規模が大きく、限りない安定をもたらします。 それでいて、体制に従わず自らの基準で生きるという意志をも感じさせます。また、論理的に解決し、さらなる発見をもたらす知の象徴にもなり得ます。

波長域

波長
380nm~450nm
450nm~495nm
495nm~570nm
570nm~590nm
オレンジ 590nm~620nm
620nm~750nm

色彩理論:カラーチャート

寒い青の波長をくぐり抜け、ギラリと強烈な光を発する前の穏やかな波長が緑色の特徴です。安定の緑だけにしばしば土台になり、トライアド関係で強烈な光を発する黄色や赤を支えます。

緑色の効果

ポジティブ 公正、安定、論理的、自らの意思、完璧主義
ネガティブ 決定力の無さ、受け身、概念的

受け身とはいえ、常に知ること、理解することを模索している状態でもありますので、用いるときは深度に気を使いましょう。

名画の中の緑色 セザンヌの作品の場合

セザンヌの絵画 水浴する人

Bathers - 1874-1875 - Paul Cezanne

印象派の巨匠であるセザンヌの作品です。この作品では強く主張する色を用いずに優しい光と人のぬくもりを表現しています。雲は空と、木々は空気と、人々も自然に溶け込んだ名品です。

名画の中の緑色 ゴッホの作品の場合

ピカソの絵画 女性

Sunny Lawn in a Public Park - 1888 - Vincent van Gogh

ゴッホの風景画です。生い茂った草木のボリュームと陽光、風の流れまで伝わってきそうな作品です。赤茶色がさりげないアクセントになっていて画面を引き締めています。画面の大部分は緑色ですが、手前の広範囲に広がる黄色や、大気と緑が溶け合ったような右奥の薄いエメラルドグリーンも効果的に用いられているようです。

まとめ

グリーンは参考としてあげたゴッホの絵画のように安定や癒しをもたらします。これはウェブアプリケーションでも同様で、機能性をもった少々複雑なアプリケーションを長時間操作しても疲れを感じないという利点があるようです。急かされる青と制御する緑という、性質の違いを明確に認識しておきましょう。