Typography - 2025 -
Baskervilleは18 世紀後半にイギリスのジョン・バスカービルが制作した活字をオリジナルとする書体です。カーブのゆとりが美しく健康的に映ります。もともとは書籍の活字向けに美しい書体を作ろうとするバスカービルの熱意によってデザインされていった書体らしいのですが、その出来栄えの(印刷の)鮮明さによって「目を傷めた」と主張する人まで現れたとか。その謎を(Baskervilleによる)読書体験で感じた印象も合わせ最後のまとめで解き明かしてみましょう。
フォント名 | ウェイト |
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Baskerville | Regular, Italic, Bold, Bold Italic, SemiBold, SemiBold Italic |
Mac Os SierraにバンドルされているBaskervilleにはRegular, Italic, Bold, Bold Italic, SemiBold, SemiBold Italicのウェイト・書体が収録されています。
J(j)やyのアセンダー(ディセンダー)が音符のようで美しいですね。
バスカービルの使用例を見ていきましょう。Baskervilleはイギリスを代表する書体の一つに数えられているそうですが、やはり下のイメージのように主張があり活動的な印象を受けますので、現代のデザインの現場でも使い所がありそうなフォントです。(労作と聞くと意地でも使いたくなりますね。)
BaskervilleはKindleの選択書体の一つでもあり、一般の書籍の本文でも多く使われていますが、他の書体と比べるとひときわ美白です。「フォント/書籍が美白?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、バスカービルの熱意によって生み出されたこの書体はとてもスリムです。言ってみれば黒の占有率が低くなりますので、印刷紙自体は相対的に美白になります。平均的なフォントであるGeorgiaなどと比較しても一目瞭然。紙全体が輝いて見えますから、確かにブルーライトやらで「目が痛い」と感じる人が出てきても不思議ではありません。
美しい書体ですが、可読性とデザイン性のバランスをよく考慮する必要があるでしょう。