Typography - 2025 -
Optimaはドイツの書体デザイナーであるヘルマン・ツァップがイタリアの碑文からヒントを得て制作されたヒューマニスト・サンセリフ書体です。セリフ体であるTrajanと趣きが似ていていますが※、ボールド体では「攻め」の表情も垣間見せるので、エネルギッシュな使い方も可能です。海外ではファッション誌でも数多く採用されています。
※Optimaの大文字はトラヤヌス帝の記念柱の基部にある碑文の文字に倣って制作されたそうです。
フォント名 | ウェイト |
---|---|
Optima Regular | レギュラー |
Optima Italic | イタリック |
Optima Bold, Optima Bold Italic | ボールド, ボールドイタリック |
Optima ExtraBlack | エクストラブラック |
Mac OSには、optimaのRegular, Italic, Bold, Bold Italic, ExtraBlackの5種類がバンドルされています。大文字と小文字、太さによってずいぶん印象が変わりますね。 大文字編成で用いますと文字ごとの存在感(自立・独立感)は(セリフが無い分、Trajanのレベルまではいきませんが)かなりのものです。
デザイン事例では、そのまま「Optima」の綴りを使いました。ベースラインからディセンダーラインのheightとX heightの比率が黄金率を形成するのがOptimaの特徴ですので、傾けない方が「より律せられた感じが出る」のも確かですが、イタリック体も良い!ということで、そちらを採用。小見出しには珍しくRegularを当てましたが、これもこの書体の素晴らしさを表していると思います。
※ツァップ氏には、第二次大戦徴兵時に将官の目の前で1mmの高さに(その将官の)名前を書き前線行きを免れたというエピソードがあるようで、小さくても細くても見栄えが良いというのはツァップ氏の技巧のなせるわざでしょう。ご覧のように(このOptimaも)Regular体でもしっかりとしています。
ツァップ氏はイタリアを訪れた1950年以後の10年間をほぼこのOptimaの開発に費やしたとのことです。
オプティマと聞きますと「あぁ、あの豪華でシャープなかっこいいフォントか」と思い浮かべますが、実際は冒頭でも書きましたように、ヒューマニスト・サンセリフ書体なんですよね。
本当に惚れ惚れするような素晴らしい書体です。
※2003年には改刻されたOptima Novaが発表されています。