タイポグラフィ | 書体:Zapfino

デザインフォントファミリータイポグラフィ:ツァプフィーノ

Typography - 2025 - Three Philosophers

Zapfinoはドイツのヘルマン・ツァップがデザインしたスクリプト書体です。羽根のように軽い繊細なタッチが上品さやリラックス感を演出してくれます。OpenTypeフォントの特長の一つである合字がひときわ軽快で美しいです。

Zapfinoの種類

フォント名 ウェイト
Zapfino Regularのみ
Zapfinoフォントの比較

Mac Os(Sierra)にはZapfinoがバンドルされています。これはAppleからの依頼を受けて修整が施された、以前(ツァップ氏の80歳の誕生日に合わせて開発された1998年度版)の書体の改良版となり、とてもデフォルトでインストールされているようなフォントには見えません。リガチャ(合字)も特徴の一つで、手間はかかりますが相応の手書き感を出すことも可能です。このフォントの他にも、Macには素晴らしいフォントが多数バンドルされていますが、とりわけこのZapfinoは特徴的でMacユーザーの恩恵ここにありという感じです。

Zapfinoのデザイン事例

書体の使用例は、Zapfinoの本来の使い方ではないかもしれませんが、「全フォント同じ素材で」がテーマですので、このような感じで仕上げてみました。大文字はK, Q, R, Zが特徴的です。

Zapfino(ツァプフィーノ)の使用・デザイン例

まとめ:戦時中のカリグラフィ作品が原型

書体のアイディア自体はすでに戦時中に存在していたそうです。Optimaのページで紹介しているエピソードで「前線送り」を免れたツァップ氏が配属された(地図を作成する)部隊は仕事には余裕があったそうで、その暇を持て余していた頃に書いたカリグラフィ作品(テーマは「本と女性とどちらに人生をかけるか」)のフォルムがZapfinoの原型となったそうです。
また、Zapfinoの共同開発者であるデビッド・シーゲルさんが開発途中にガールフレンドにふられてしまったそうで、ツァップさんは(大変な落ち込みようだった) シーゲルさんの扱いにも気を使うハメになったそうです。
パートナーはなにより大切ですからね。人生には技術研鑽とはまた別の修業があるわけです。若い方はZapfinoの見事な合字を使いラブレターを書いてみるのも良いかもしれません。