Typography - 2025 -
Garamondはフランス・パリの彫刻家クロード・ガラモンの活字をオリジナルにした書体(グループ)です。後続のデザイナーであるジャン・ジャノンが模倣して制作した書体をフランスの国立印刷局がオリジナルとしてしまったため、現在でもガラモン系とジャノン系の二つが流通しています。
歴史的に分類しますと(このサイトで紹介している)ローマン体の中では、もっとも古い部類である、オールド・ローマン体に属します。
フォント名 | ウェイト |
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Adobe Garamond Pro | Regular, Italic, Bold, Bold Italic |
AdobeのソフトウェアにはAdobe Garamond Proという書体がバンドルされていますが、こちらは(ロバート・スリンバックによる)ガラモン系です。
ジャノン系はヘアラインと(文字によっては)オリジナルのガラモン版より幅広、大胆にデザインされているのが特徴で、いわば偽ガラモンのレッテルを貼られてもおかしくない立場ですが、出来栄えは「単なる二流品とは片付けられない」とスリンバック氏も語っていました。(参考:欧文書体2 定番書体と演出法/小林章著)
デザイン事例にはスリンバック氏が製作したもうひとつのガラモン系であるGaramond Premier Proを使用しました。こちらはよりオリジナルを忠実にデジタル化した書体とのこと。
活字の味に近づきつつ、使用サイズに合わせ、Display(見出し)、Subhead(小見出し)、Regular(本文)、Caption(キャプション)の中から選択できるように設計されています。
踊るようなyを活かすべくタイトルを設定しました。
なかなかクールな書体ですね。
Garamondの歴史はとてもこのページでは語り尽くせません。興味のある方は海外のページなども参考にして頂くと良いでしょう。
冒頭でも書きましたが、ローマン体の中では(本サイトで紹介しているフォントですと)、このガラモンドが一番古い部類のオールド・ローマンで、その後に →トランジショナル・ローマン(Baskerville)→ モダン・ローマン(Bodoniや、Didot)と続いていきます。