Typography - 2025 -
Caslonは1734年にイギリスのウイリアム・カスロンがリリースした金属活字がオリジナルです。その点ではBodoniなどと同様にとても歴史のある書体です。これまで、オリジナルCaslonをベースに様々な書体が制作されてきましたので、いくつか紹介してみたいと思います。
フォント名 | 種別・用途 |
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Big Caslon | 見出し向け |
Adobe Caslon Pro | 本文向け |
ITC Founders Caslon | オリジナルの活字印刷物からスキャン |
Caslon 540 | 見出し向け |
Mac Os SierraにはBig Caslonという書体が収録されています。これはオリジナルのCaslonをマシュー・カーターが(オリジナルのクセを残しつつ)細部にこだわりの加工を施しながらデジタル化した、見出し専用のフォントの傑作だそうです。
Mac OSのバンドル版ですとウェイトはMediumのみです。(カーター氏の出世作である)Galliardと同じく、筆の入れ具合をそのまま再現したようなAの文字や、細い線(ヘアライン)が特徴の一つです。
タイトルにBig Caslon、右下にAdobe Caslon Proを用いて作成したデザイン事例になります。Caslonは文字(アルファベット)により大きな特徴のあるものとそうでないものがありますし、オリジナルから派生してデザインされた各々の書体には、見出し、本文用途と本来の使い方もあると思いますので参考程度にご覧ください。
Caslonは、種類が豊富です。その数がベースになったオリジナルの素晴らしさを物語っているとも言えますが、使用例でも示しましたようにヘアラインやセリフの細さを抑える形でデザインされたAdobe Caslonのほか、オリジナルからスキャンして作られたITC Founders Caslonや、フランスのファッション誌などでも多く使われるCaslon 540なども有名です。(参考:欧文書体 その背景と使い方/小林 章著)