芸術とデザイン | ダイアード配色

色彩理論ダイアード配色色彩理論:ダイアード配色

Color Scheme - 2018 - Three Philosophers

ダイアード配色は2色の対比により強い印象を与える技法になります。3色になるとトライアドと呼ばれ、音楽用語ではドミソの3和音の意味で、屈託のない純粋な響きになります。視覚作品においても同様に画面上が引き締まった感じが出てきます。2色ですと調和というよりはモード的、空間的になり、解釈を受け手に委ねる度合いも強くなります。

色彩理論:カラーチャート

色環で直線上に位置する色どうし(補色)を用いることで調和が生まれます。イエロー/紫、レッド/緑、ブルー/橙色の組み合わせは覚えておきましょう。コントラスト感が強いとビコロール配色と呼ばれることもあります。

名画の中のダイアード配色 モネの作品の場合

モネの絵画 花

Yellow Irises with Pink Cloud - 1914-1917 - Claude Monet

モネの作品。イエローと紫という補色どうしのコントラストが印象的です。有名な睡蓮も局所的にはこのように色のバランスを考えながら丁寧に制作されたのでしょう。

名画の中のダイアード配色 マティスの作品の場合

マティスの絵画 少年のゲーム

Game of Bowls - 1908 - Henri Matisse

マティスの作品。グランド部分の緑と少年の布切れは大雑把に言えば補色関係にあるとも言えます。少年の肌はこちらも大雑把にとらえると画面上部の青紫の補色に相当する色であるとも言えます。この時マティスはダイアード配色なんぞをさらさら意識していなかったとも思われますが、スッこ~んとスイカ割りをしたら黄金が出てきたような素晴らしい作品ですね。

まとめ

ダイアード配色は、その2色だけにとらわれすぎてしまうとコンポジションとしてはあまり効果的ではないのが明らかです。人間の美的感覚として補色関係にある色同士は見やすくはありますが、そんなに美しくは見えません。視認性と芸術性は区別して考えましょう。上質なデザインやアート作品においては、スプリットコンプリメンタリーやトライアド配色に展開していきましょう。