デフォルト効果

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UI・UXエクスペリエンスデフォルト効果

Psychology - 2019 - Three Philosophers

デフォルト効果とは、ある一つの決定事項に付随するオプションや、選択肢そのものの可否を答える場合などにあらわれる、人間の「初期設定」に従ってしまう心理的傾向のことだ。

初期設定に従いがちな傾向

例えば、スマートフォンを購入して長期間使用しても、端末に備わるたくさんの機能を詳しく説明できないのはなぜだろう。それはメーカーが設定した状態(初期設定)でも、ほとんどの場合は問題にならないため、機能を掘り下げる必要がないからだ。現状維持バイアスのページでも書いたが、人間は面倒な思考を極力避けようとする(システム2へ移行しない)ので、変える必要のないものに対しては、思考というエネルギーを消費しないようにして、ある種のストレス回避を行っている。

デフォルト効果の具体例

臓器提供の可否に関する選択などにも、デフォルト効果が大きく影響します。「提供する」が初期設定とされている(オプトイン形式を採用している)国では、対象となる国民がそのまま「提供する」というステータスになることがほとんどだそうだ。オプトアウト形式の場合も同様に、初期設定のまま、国民の大半が「提供しない」ステータスになる。

デフォルト効果とビジネス

このように、人間はテンポ良くというか、想像以上に単純な思考を働かせる局面が多いため、オプションやその見せ方(大きさ、色、文言)によっては、得られる結果も大きく異なってくる。UIUXデザイナーとしては、プロスペクト理論現状維持バイアスで言及している、人が抱く「利益」と「損失」に対する価値観の違いなどを考慮に入れつつ、色彩理論、シェイプや表情がもたらす効果などにも精通していくことで、導線はより最適化されていくことだろう。

まとめ

マイクロインタラクションのページでは初期設定に起因する事故にも言及しているが、デザイナーは視野を広げ、満足のいく選択結果に導くためにも、論理的かつ親切なすじ道を立て(ルール作りを行い)ていこう。システム1(単純な思考のみ)で間に合わせようとする人間の特性は、常に銘記するべきだ。