タイポグラフィ | 書体:Didot

デザインフォントファミリータイポグラフィ:ディド

Typography - 2025 - Three Philosophers

Didotはフランス生まれのセリフ体のフォント(書体のグループ)です。オリジナルは産業(製紙・印刷)界に貢献したDidot一族の3代目にあたる(ステレオ・タイポグラフィーの先駆者である)ファルマン・ディドが1811年までに作成し、その後兄弟のピエール・ディドが(その時代の"現代"アーティストの作品を取り入れた洗練されたコレクション本などの)印刷で用いるなどして普及してきました。VOGUE誌で採用されているフォントとしても有名です。

Didotの種類

フォント名 ウェイト
Didot Regular レギュラー
Didot Italic イタリック
Didot Bold ボールド
Didot フォントの見た目

DidotはBodoniと同様にモダン・ローマン体に属すフォントで、Mac Os High SierraにバンドルされているDidotにはRegular, Italic, Boldの3種類があります。
太い線と細い線のコントラストヘアラインセリフが特徴で、ぱっと見の判断ですと、使いどころが無さそうにも思えてしまいますが、セリフ体でありながら独特の質感を有しており、この細いデジタルフォント一つ一つから重心(重力)のようなものを感じるのも確かです。どことなく官能的なフォントでもあるような気がしますので、前述のように有名なファッション誌で採用されているのも頷けます。

Didotフォントの比較

Didotのデザイン事例

やはりBold体で文字数を限定し、どっしりと重心を意識させるように配置するのが、ブランド感を醸成するコツになるでしょう。

Didot(ディド)の使用・デザイン例

Didotの改作や、他の書体との相性

Didot書体の現代における改作のうち、アドリアン・フルティガーの版(for Linotype社)は最高のものの一つでしょう。フルティガー氏は20世紀を代表するサンセリフ体であるUniversを制作するにあたって参考にした書体の一つとしてこのDidotやBodoni(つまりはモダン・ローマン体)を挙げており、Universとの相性の良さも伝えてくれています。