Typography - 2025 -
ラテン語で未来という意味をもつFuturaは、1927年にバウハウスの講師であったパウル・レナーによって制作・発表されました。
ルイ・ヴィトン社のコーポレートロゴに用いられるなど、安定感のなかにも軽快さや洒落っ気なども感じさせてくれる人気のフォントです。VやMなどの鋭角部分のヌケ具合が全体的な印象を軽くしてくれるようです。
フォント名 | ウェイト |
---|---|
Futura Medium | 太さがミーディアム |
Futura Medium Italic | 太さがミーディアムでイタリック体 |
Futura Bold | ボールド体 |
Futura Condensed Medium | コンデンス書体 |
Futura Condensed Extra Bold | コンデンス書体で極太 |
上記はMacのOS SierraにインストールされているFuturaの種類です。Mediumに比べBoldではMの鋭角が削れるなど、全体的に針金がワイヤーになったような変化がみられます。横幅の狭いコンデンス書体も特徴的で、文字の持つ性格が大きく変わります。
正直なところ細身のフォントですので、下のイメージのようなファッション系雑誌の表紙ですと(OS搭載のウェイトのなかでは)Condensed Extra Bold一択かなと思います。
まぁそれでも、大衆情報誌的な雰囲気は否めませんが。(Futuraの歴史的にウェイト間のバランスはあまり良くないようです。)
Mac OSにはバンドルされていませんが、Futura PT(ウェイト7種類)/ Futura PT Cond(ウェイト4種類)なるFuturaの派生書体がAdobe CCで利用可能でしたので、表紙デザインで試してみましたが(正直なところ種類の割に)あまりパッとせず、(そんな中でも)以下の2ウェイト(Futura PT Cond / Bold、Futura PT / Demi)はそれなりにフィットしましたので掲載しておきます。
冒頭でも書きましたがFUTURAはルイ・ヴィトン社のコーポレートロゴにも採用されています。写真は六本木のけやき坂通りにある店舗。
さすが天下のルイ・ヴィトン!という感じで、コツコツ働く庶民をよそに、しゃれっ気たっぷりに未来を向いている感があります。
行動経済学的に申しますと、この書体の持つ独特の魅力がカスタマーの取引効用に作用するということで、成功したブランディング事例として、ワークショップなどでも折を見て紹介しています。
フォント全体に言えることですが、ウェイトによっても表情が大きくが変わりますので、採用・導入時は、様々な書体の持つ表現の多様性・可能性を考慮しながら、ブランディング戦略を立ててみると良いかもしれません。