Color Scheme - 2019 -
人間が色を捉える感覚は実に曖昧で、上図で左右に並ぶ中央の小さな四角が同じ色だと認識できる人はまずいないでしょう。色はその相対性により、劇的に見た目が変化しますが、それは人間の認識力に起因しています。
左右に同じ紫色をした小さな四角が並んでいます。
しかし、そこに違う色を背景として加えると、たちまち人間の視覚は正しい認識力を失います。(左右の小さな四角は同じ紫色です。)
相対性という呪縛を解いた時、人間は対象をより正確な色彩で認識できるようになります。
着目したいのは、対象となる色彩の周辺色が近似色相かつ、その明度を変化させた時に、人間の視覚は認識力を低下させることです。
このように、背景色の色相が大きく変化しても、錯覚の幅は小さいはずです。
しかしハイトーン(明度と彩度が高い)色を背景に用いる場合は、色相によってはハレーションを引き起こし、色の境界がぼやけます。
直線、左右の小さな箱はすべて同色。
小さな四角はすべて同色。これらはすべて相対性による魔法です。
相対性による視覚情報の変化はいかがでしたでしょうか。ハレーションを例としても、色の相対性により、人間の認識力が大きく揺らぐことが確認できたと思います。人間の視覚による、環境に依存した色の認識力は、機械のそれに大きく劣るのです。
興味深いのは、物理的な認識力だけではなく、人間がとある決断を迫られた状況下では、選択肢が二択、三択になるにつれ、心理面でも相対的にブレが生じるという点です。(参考ページ:購読者のプラン選択時における心理)
人間と機械は違います。その特性に合わせた配色をこころがけ、時にユニバーサルな仕様にしたり、視認性や快適さを伴ったデザインを追求していくことが大切になってくるでしょう。