根本的な帰属の誤り | 認知バイアス

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UI・UXエクスペリエンス根本的な帰属の誤り

Psychology - 2018.12.13 - Three Philosophers

認知バイアスの代表格である、「根本的な帰属の誤り」について考えていきましょう。根本的と冠されているのは、帰属の誤りにも複数の種類があるからです。そのどれもが事象を正しく見つめられないことに起因しています。

根本的な帰属の誤り

あなたが不動産物件の管理者だとしましょう。担当物件の清掃を業者へ丸投げし、物件の汚れに数か月気づきませんでした。この間、居住者からクレームを入れられるのですが、この居住者が以前も別件でクレームをいれていたため、自分に嫌がらせをしていると思い込んでしまいます。これが帰属の誤りです。後に証拠写真で自分の管理怠慢に気づきましたが、すでに居住者に失礼なメールを返信してしまっていたために、大きく信頼を損ねることになります。

システム1という思考、簡略化システム

思考の偏りというよりは、プロセスの簡略化という人間本来の脳の働きにも原因があるようです。自分に都合が良い人は、早く問題を解決しようとする人間本来の思考回路にも影響されやすい人だとも言えます。「俺は悪くない。あのクレーマーがおかしい」と決め込み、失礼なメールを返信してしまった不動産業者は、お金を取る側としては失格ですし、その代償も小さくないかもしれません。このように状況の判断力が弱く、原因への対処が正しくできないこと、また、そこにいたる初期段階の思考の誤りを、心理学では「根本的な帰属の誤り」と呼んでいます。

システム1という思考、簡略化システム

こういった、問題を簡単に解決しようとする思考領域はシステム1と呼ばれています。人は熟考する段階であるシステム2に移行するのを嫌います。頭を重くしたくないのです。ECサイトの運営などではこのシステム1を重要視して、ヒックの法則や写真の配置、ボタンの形状・色みなどを工夫しながら購入へ誘導していきます。局所的に考えると、人間の思考の短絡的な部分につけこんでいく設計ということにもなりますが、その大部分はユーザーエクスペリエンスの向上に繋がりますので、個人的にはユーザーがシステム2へ移行しないような(極力難しい操作を省いた)設計を心がけています。

バイアスの領域を減らせば良い選択も出来る。

先ほどの不動産業者が、誠実に対応したものの、ズシリと責任を抱え込んでしったケースを考えてみましょう。実はそれも 「過度の責任帰属」という帰属の誤りの一つに該当するのです。「自分に責任がある」というのは、どちらかというとネガティブな思考ですから、過度に抱え込んでしまうとよくありませんね。居住者に謝罪したら解決するかもしれません。自分の偏った思考をよく見極めて最良の選択をしていきましょう。

まとめ

もちろん、人間はすべてのことに冷静に対処できるわけがありませんし、心理学の及ばない状況もあるでしょう。人は不条理なことに直面すれば問題を抱え込みますし、そもそも「完璧な思考」というものが存在するのでしょうか。
一つ言えるのは、知識の蓄積により、問題が直前に迫る前の視野が、確実に広がるということです。それはアプリの設計なども同様です。人間が陥るバイアス、思考回路の単純さなどを考えてみると、よりシンプルでステップ数の少ないナビゲーションを思いつくかもしれません。