多数派同調バイアスとオキシトシン

UI・UXエクスペリエンス同調バイアス

Psychology - 2018 - Three Philosophers

多数の同じ意見の中では、自分もそれに同調してしまうことを、多数派同調バイアスと呼んでいる。

集団行動時の特性

日本人は集団行動が得意な民族だと言われている。ニューヨークタイムズなどでも、その規律性はことあるごとに称賛されている。しかし実はこれ、日本人というよりは、人間に備わった集団行動時の特性でもあるのだ。人間には、自分と意見の異なる集団にあっても、同調しようとする性質があると言われているのだ。(参考:正常性バイアス)

オキシトシン

神経経済学のポール・ザックは、絆のホルモンとも言われる、オキシトシンの存在に注目した。彼によると、人が集団に属し、その活動によって同胞意識が芽生えた時に、オキシトシンというホルモンの分泌レベルが上昇し、満足感や、落ち着き、安心感などが得られるとしている。人間以外、例えば犬でさえも「優しく撫でると分泌する」そうなので、ミーティング時などは積極的に相手のオキシトシンレベルを上げていこう。

オキシトシンは、共感や帰属意識を高める働きをするが、コミュニケーション能力の低い人はその分泌に問題があるともいわれている。エンジニアやアナリストのように内向的な人に対しても、寛容な姿勢で接することが大切なのだろう。IT系は役員レベルでもいわゆる「人見知り」さんが多いので、こういった心構えはとても大切だ。

まとめ

ちなみにポール・ザック氏の有名な著書のタイトルは「経済は競争では繁栄しない」になる。たしかにIT系で働くということは、技術に加えおおらかなスタンスが求められていると痛感する。自前のオキシトシンは有効活用したい。
参考:続インターフェースデザインの心理学/スーザン・ワインチェンク