正常性バイアス

UI・UXエクスペリエンス正常性バイアス

Psychology - 2018 - Three Philosophers

正常性バイアスは、非常時において状況への判断を誤らせたり、遅らせてしまう人間の傾向の一つだ。多数派同調バイアスなどの要因が重なると、思わぬ事態を招くこともある。

この状況が正常か

これは外国で実際に起こった出来事だが、ある橋の上で若者二人が会話をしているところに被害者の背後から、一人の男が迫ってきて銃を抜く。しかし何らかのトラブルがあり弾が発射されない。ここで被害者が気づき背後を振り返る。その時再び犯人は弾が詰まったようなアクションを見せるのだが、被害者の若者は立ち尽くすだけで、防衛の手段を取らない。次の瞬間、首付近を打たれて倒れ込むことになる。

もしこれが戦地であったなら、このような死に方は絶対ないだろう。襲われるのが正常だからである。しかしこの事件が起こった何気ない日常においては、回避行動は難しい。これが正常性バイアスの恐ろしさだ。

同調してしまう恐ろしさ

さらに恐ろしいのが、多数派同調バイアスの存在だろう。具体的災害・事故名はあげないが、周囲の人たちに惑わされ、とるべき行動をとらずに、そのまま亡くなっていった人たちも多いのだ。地下鉄は地下、海の近くは津波が来るといった認識は忘れてはならない。「まわりの人は平気そうだから」では手遅れになってしまうのだ。

まとめ

正常性バイアスはストレスを回避するための作用だとも分析されているし、人生という長いスパンで考えれば鈍感力というのも大切になってくるだろうが、防災意識を高めたり、突然の出来事にも適切なアクションを起こせる個人となれば、周囲にとって貴重な存在になるだろう。